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農地の相続問題で知っておきたい知識:相談する時のポイントも確認

 

 

何かとトラブルが多い相続ですが、中でも気を付けたいのは、農地が遺産に含まれていたケースです。
民法の他に農地法の規制対象にもなるため、相続手続きが複雑になりかねません。
この記事では、相続の際に知っておきたい農地に関する情報をまとめています。
スムーズに手続きを進めるためのポイントを、確認していきましょう。

 

1.農地の相続が特殊な理由

「農地」は、農地法によって特殊な規制が行われています。
農業は日本の食を支える重要な産業ですから、自由に売却したり、宅地を造成したりはできません。
相続によって配偶者や子供に譲り渡す時にも、色々な注意点が生じるのです。
まず、農地とは何かですが、法律では「耕作するために用意された土地」とされています。
このため、例えば登記簿で「宅地」となっていても、耕作の目的を持った土地なら、「農地」と考えられます。
現在栽培・肥培管理を行っている時には注意が必要です。

 

2.農地を相続する時の流れ

最初に遺言書と相続人を探します。
遺言書があると、それに従って手続きする必要があるためです。
また、相続人も重要で、例えば隠し子がいると、その者にも相続権がありますからしっかりと捜索します。
うっかり見逃すと、遺産分割がやり直しになったり、弁護士費用が余分にかかったりするためです。
遺言書を調べ、相続人を集めてから、遺産分割協議を行いましょう。
相続人の中で、農地を引き継ぐ者を決めたら次のステップです。
ここでは相続登記によって農地の名義変更を行います。
それに加えて農業委員会に届出を提出することが必要です。
期限に制限があり、相続開始後10カ月以内が原則ですので、忘れないようにしましょう。
後は、相続税の支払いです。課税されるかどうかは、相続財産の額に応じて変わってきます。
不要な場合もありますが、近年は法改正によって範囲が拡大されたため、油断はできません。
専門家に相談して、納税義務を確認するのがおすすめです。
なお、農地の相続税については猶予制度があります。
一定の条件を満たすと納税を猶予されたり、免除されたりするのが特徴です。
利用するには、手続きを行う必要があります。

 

3.遺贈や死因贈与の場合の流れ

相続と似て非なる制度が、遺贈や死因贈与です。
農地法によって、相続人以外の者への特定遺贈と、死因贈与は更に特殊な規定が追加されているので、
気を付けて下さい。
特定遺贈とは遺言書によって、一定の財産を誰かに与える行為のことです。
相続人以外に対しても行えるので、例えば、農業仲間だった友人に農地を遺贈しても問題ありません。
死因贈与は契約行為で、本人が死んだら農地をあげると誰かと約束しておくのが特徴です。
こちらも相続人以外にも、贈与できます。
これらの、相続人以外への特定遺贈と死因贈与は、農地法の届け出ではなく、許可申請が必要です。
届け出は一定の書式に従って紙を出せば、それで手続きが終わります。
しかし、許可の場合は申請書を出して、審査を経たうえで、許可証をもらわないとなりません。
ここで受け取る農地法の許可証がないと、所有権の移転登記は不可能です。
つまり、相続の場合と違って、登記のハードルが高くなっています。
もし、農地法の許可を受けるのが難航した時は、所有権移転の仮登記を入れる方法があります。

 

4.農地を相続した後の処分

相続した農地が不要になったり、別の用途で使いたくなったりした時も、農地法の許可が必要な場合があります。
宅地に作り替えるのはもちろん、他人に貸し出す時にも許可が欠かせません。

 

5.農地の相続放棄

上記のように複雑な規定があり、農業を続ける意思がない人や、
手続きが面倒なのでいらないと考える方も珍しくありません。
その場合は相続放棄が選択肢になります。
ただし、相続放棄は農地だけを選ぶことはできません。
一切合切の権利を手放してしまうので、ハイリスクです。
このため、農地の用途と併せてじっくりと検討していきましょう。

 

まとめ

農地は相続問題が生じやすく、悩みがちなポイントが少なくありません。
農地を引き継いで農業を営む他にも、駐車場にしたり他人に貸し出したりと、選択肢は豊富ですが、
いずれが好ましいかはケースバイケースでの判断が必要です。
最良の処分方法を考えるには、専門家への相談が役立ちます。
数々の事例を扱ってきた実績のある事務所なら、他の不動産や相続財産の分割なども併せて、
最適な解決策を提案してくれるでしょう。

 

相続問題にお悩みなら菊池行政書士事務所にご相談下さい。


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