相続税はもうお金持ちだけの問題じゃない!少子高齢化時代の相続問題
相続は少子高齢化や2015年の相続税増税により、お金持ちだけの問題ではなくなりました。
少子高齢化による相続問題として空き家問題も深刻になっており、
人口減少時代の昨今では相続に対する意識も変わりつつあります。
そこで、相続件数が増える昨今の問題や相続の種類などについてご紹介します。
相続税増税により課税割合が倍増
現代の日本社会の少子高齢化により、高齢者が増えることで相続件数が増加傾向にあります。
そんな中、相続税がかかるのはお金持ちだけ、
というこれまでの常識が2015年の相続税法の改正によりそうではなくなりました。
これまで日本全体で4%程度と言われていた相続税の課税対象者が8%前後に倍増したのです。
大きな理由は2015年の相続税改正での「基礎控除額の引き下げ」が影響しています。
相続税を納めることになるかどうかを大きく決定するのが基礎控除額です。
なぜなら相続税は相続財産が基礎控除額を上回った場合に発生するからです。
2014年までの基礎控除額は5,000万円+1,000万円×法定相続人数でした。
ところが、2015年からの基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人数となりました。
法改正により相続税は富裕層だけの問題ではなくなり、
これまで相続税の課税対象とならなかったご家庭でも場合によっては相続税の対象となることを
想定する必要が出てきました。
相続税が課税される相続の種類
相続
被相続人が生前、自分の財産を誰に相続するのか決めずに亡くなった場合に発生します。
相続税の多くがこのケースです。
遺贈
被相続人が生前自身の財産を誰に相続するのかを遺言で決めていた場合に発生します。
相続人が財産を貰えることは知らず、被相続人が一方的に財産を与えるケースです。
死因贈与
被相続人が生前、自身の財産を誰に渡すのかを契約で決めている場合に発生します。
被相続人、相続人両者が財産を引き継ぐことを認識し表明しているケースです。
生前贈与
生前に自身の財産を贈与した場合に発生するケースです。
死後の相続税額を軽減したり、相続トラブルをあらかじめ回避する効果があります。
空き家問題も深刻化
家屋を相続した人がそこに住んで持ち続ければ特に問題は起こりませんが、既に独立し、
別の地域で暮らしている子供が親の家に移り住むのはあまり現実的ではありません。
そのために自宅を売却したいと考える人も多いのですが、
資産価値が乏しいために投げ売りのようになってしまうのも良くある話です。
売却できないまま離れたところに住んでいるために管理が行き届かず、
敷地と建物が放置された状態になっている空き家が増加傾向にあります。
都心の高層マンションは購入希望者が多くおり、高額で取引される傾向がありますが、
郊外では空き家が目立ち、中には所有者が特定できず放置されている物件も増えつつあるのが現状です。
空き家のまま放置していると老朽化に伴う家屋倒壊の危険性や不審火や不審者侵入の危険性もあり、
近隣住民に迷惑をかけてしまうことがあり、現在社会問題化しています。
財産を相続しないこともできる
財産には不動産や預金などプラスの財産もありますが、負債や未払い税金などマイナスの財産もあります。
相続は通常「単純承認」という被相続人の財産をそのまま引き継ぐ方法です。
しかし、引き継ぎたくない財産があったり、
負債がどれくらいあるのか分からない場合には単純承認をしたくないケースもあります。
その場合、プラスの財産の範囲内だけマイナスの財産を引き継ぐ「限定承認」で相続する範囲を限定したり、
「相続放棄」により遺産相続をしない選択をすることもできます。
事前に準備しておくことが大切
相続件数が増加する中、相続税の課税対象になる相続人も増え、
居住環境の変化により空き家問題も深刻化しています。
相続税対策はもちろん、不動産を引き継ぐ場合はその家屋をどのように維持し、
管理しておくのか事前に考えて準備しておくことが大切です。
とはいえ、複雑でわかりにくい部分も多々ありますので
行政書士などの専門家に相談してアドバイスをもらうのが安心です。
相続問題にお悩みなら菊池行政書士事務所にご相談下さい。
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