特に土地や建物の不動産相続はトラブルが起こりやすいため注意が必要です。
この記事では土地の相続で起こりやすい相続トラブルの事例や、
相続問題を避けるためにしておきたいことについて解説します。
■平等で分けることにこだわった
土地は1円単位で平等に分けることが難しい財産です。
土地そのものは平等に分割することができたとしても、土地の形、道路への面し方、
日照条件などにより完全に平等にすることはまず不可能です。
このような財産の場合、平等に分けることにこだわるとトラブルに発展しやすくなります。
平等に分ける方法として「換価分割」と「代償分割」があります。
換価分割はその土地を売却し、売却益を相続人で分割するので、1円単位で財産を分割できますが、
売却しようとしている家に住んでいる人がいる場合には難しい方法です。
代償分割は、例えば相続財産が2,000万円の実家と1,000万円の預金があったとして、
実家を兄が、預金を弟が引き継いだ場合、兄の方が1,000万円多くなります。
そこで、兄が500万円を弟に支払いお互い1,500万円ずつ平等に相続したのと同じ状態にする方法です。
ただし、代償分割は兄に現金の資産がないと不可能となります。
いずれにせよ、土地の相続はお互いがある程度の譲歩をしなければうまく行きません。
■現金が少なく、不動産を占める割合が多い
親が残した財産がほぼ不動産のみだった、というケースも良くあるパターンです。
この場合、財産と呼べる財産が不動産しかないため、どちらが不動産を引き継ぐかでトラブルになります。
このケースも換価分割または代償分割で解決することになります。
■生前に想定したよりも現金が減っていた
生前にすでに相続に関する話し合いがついており、兄が実家、弟が現金を引き継ぐと決めたとします。
しかし、親の医療費などで現金を想定以上に使ってしまい、現金がほぼなくなっている、というケースもあります。
その場合、兄が2,000万円の実家を引き継ぎ、弟は現金1,000万円引き継げるつもりだったのが、
いざ相続が始まったら200万円程度しか残っていなかったなどということが起こり、
これでは納得できないとトラブルに発展することもあり得ます。
このように、現金はあっという間になくなってしまいやすく、
トラブルを防ぐために準備をしていたのに財産状況が変わったために揉め事になってしまうことがあります。
■寄与分を主張された
どちらか一方が寄与分を主張し始めたことにより、揉めることもあります。
寄与分の主張とは、例えば兄が親の介護をしており、
「自分は介護で苦労したのに、弟は何もしなかったのだから介護をした自
分が多く財産をもらいたい」と主張するケースです。
誰かが寄与分を主張すると、話がまとまらなくなる原因となります。
ほかの相続人が譲歩し、話がまとまることもあります。
ただし普通の介護程度では、寄与分が認められるケースは少ないことを理解しておきましょう。
■相続問題を避けるには
相続問題を避けるためには
・遺言書を遺す
・共有は選択しない
・空き家になる前に将来のことを決めておく
・不動産を整理することも視野に入れる
などで事前に対策をすると効果的です。
遺言書を遺しておけば遺言書の通りに遺産分割が行われるため、相続トラブルを避けるうえでも有効です。
不動産は共有にしない、空き家になる可能性がある不動産は売却しておく、
不平等な数や条件の不動産がある場合は売却など整理して平等にしておく、などの事前対策を行っておくと安心です。
■相続に関しては行政書士に相談すると安心
相続トラブルを防ぐための遺言書の書き方や財産の分け方などは、
事前に行政書士のアドバイスを受けておくと安心です。
自分の死後に家族間で争いが起こることを避けるためにも、
行政書士に遺言書の作成をサポートしてもらうのがおすすめです。